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子宮腺筋症の存在と不妊

子宮腺筋症は、子宮筋層内に異所性子宮内膜組織を認める場合に用いる疾患名であり、公義の子宮内膜症に属する。従来は、骨盤内子宮内膜症が外性子宮内膜症と呼ばれていたのに対して、腺筋症は内性子宮内膜症と呼称されていたが、現在では独立した疾患名として用いられている。

子宮腺筋症は、性成熟期から更年期にかけて好発し、子宮内膜症に比べて、その発症年齢はやや高齢層に移行している。すなわち、腺筋症症例は、40歳代にピークがあり、不妊症の合併は、子宮内膜症に比較して少なく、経産婦に多いといわれてきた。

子宮腺筋症の確定診断は、組織診断によるが、その発生頻度は、病理学的にどこまで詳細に検索されたかに左右されるため、子宮摘出術の10%~50%と報告によって大きなばらつきがある。一般に、卵巣子宮内膜症のために子宮全摘術が行われた症例に高頻度に認められ、子宮内膜症との合併頻度は高い。

子宮腺筋症と他のエストロゲン依存性疾患との関連については明らかではないが、子宮筋腫とのか合併率は高く、子宮筋腫症例のおよそ1/3から1/2の腺筋症を合併するといわれている。

子宮腺筋症の発生機序は不明であるが、子宮腺筋症と子宮内膜組織との接合部が認められることがあり、子宮内膜組織から筋層内に直接侵入することによって本症が発生するとしたCullenの説が有力である。