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子宮腺筋症の検査・診断
1.内診所見

子宮後転・子宮可動性の制限・後膣円蓋部有痛性硬結・卵巣腫大(チョコレート嚢胞)、子宮腫大。

2.画像診断法

子宮腺筋症に対する確定診断は、内視鏡検査・開腹所見によるが、臨床的には画像診断によることが多い。

子宮腺筋症の超音波断層法

超音波による子宮腺筋症の診断には、子宮筋腫との鑑別が必要となる。子宮腺筋症の場合、子宮全体に腫大する。子宮壁は全体的に肥厚し、びまん性で均一高輝度である。更に、腺性の子宮腺筋症では、不均一で蜂窩状で小嚢胞のエコーとして見られる。特殊な例としては、肥厚した間質層内に小嚢胞状のチョコレート嚢胞が見られる時がある。

子宮腺筋症のMRI

MRIは、子宮腺筋症の診断において非常に有用であり、感度、特異度は、それぞれ78%~88%、67%~93%と報告されている。特に、臨床上最も重要な鑑別疾患の一つである筋腫との区別において極めて有用である。また、子宮腺筋症に筋腫が併存する頻度は35%~55%と非常に高い。

子宮腺筋症のMRI画像は、比較的一定で、典型的な所見を示す場合、その診断はさほど困難ではない。しかしながら、悪性腫瘍を合併する場合や悪性腫瘍を含めた他の子宮疾患との鑑別に苦慮する場合など、臨床的な問題をはらむ症例が存在する。

たとえば、子宮腺筋症に子宮体癌が合併する場合や子宮腺筋症から子宮体癌が発生する場合には、MRIによる診断や病期診断にはとりわけ注意を払う必要がある。また、他の子宮疾患のなかには子宮腺筋症と類似したMRI画像を示すものがあり、とりわけ悪性腫瘍との鑑別には慎重である必要がある。

MRI画像は、一般的に、T1強調画像とT2強調画像に大別される。水では、T1強調画像で低信号、T2強調画像で高信号を呈する。子宮腺筋症のMRIは、T2強調画像で境界が明らかな子宮筋腫と異なり、境界不明瞭な低信号の中に異所性子宮内膜症や出血を示す高信号が入り混じった像として観察される。

子宮卵管造影法(HSG)

婦人科疾患においては良悪性の鑑別ならびに悪性腫瘍の病期診断は治療方針の決定に極めて重要であり、MRIの果たす役割は今後も大きいと考えられる。

子宮腺筋症の血清学的検査

CA125
100u/ml台が殆どで、200u/ml以上は少ない。特に高値を示す場合は、卵巣がんとの鑑別が重要である。

CA19-9
CA125と併用することにより、悪性腫瘍との鑑別診断としている。